カイコを育てよう

カイコを育てる準備
フ化〜3齢(れい)
4齢(れい)〜熟蚕(じゅくさん)
繭(まゆ)
サナギ〜羽化(うか)
交尾(こうび)〜産卵(さんらん)

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カイコを育てる準備

カイコを育てることは特別むずかしいことではありません。
ただ、他の昆虫とちがって、人間が手をかけてあげなければ、生きていけないことを忘れないでください。飼育途中で林や野原に放しても、えさを探すことも、鳥やその他の昆虫から身を守ることもできません。大切に育ててください。そうすれば、きれいな繭(まゆ)や絹糸をあなたにプレゼントしてくれます。

カイコのえさ
カイコのえさは桑の葉です。近くの農家の人に聞いてみましょう。桑畑がなくても、下の写真のように畑の垣根に桑の木が植えられていたりします。
桑の葉には、いろいろな形のものがあります。長い養蚕(ようさん)の歴史のなかで桑の木も品種の交配・改良が行われ、1本の枝でもいろいろな形の葉が付いているものもあります。

いろいろな形の桑の葉

桑の葉は水にしばらくつけておき、水洗いをしてから水を切りビニール袋などに入れて、冷蔵庫で保存しましょう。1週間程度の保存ができます。えさを与える時は水をふき取りましょう。

大切なこと
桑の葉をもらう時は、カイコを飼うために桑の葉を分けてくださいとお願いしましょう。
カイコは農薬に弱い昆虫ですから、農薬が葉についてないか、かならず聞きましょう。
もし、昔養蚕をしていた農家の方ならば、養蚕の話を聞いてみましょう。自分たちの住んでいる場所の昔のようすも分かって、楽しいよ。

最近では人工飼料が開発されています。身近なところに桑の木がないときは、人工飼料で飼育しましょう。

用意するもの
菓子箱(浅いもの)、キッチンペーパーまたはティッシュペーパー、ハケ、防鳥ネット(4ミリ目)
※春に飼育する場合は、夜間の気温が下がるので電気スタンドを用意して、必要に応じて保温をしてください。

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孵化(フカ)〜3齢

カイコは、5月から10月頃、桑の葉がある季節に育てましょう。気温は25度が目安です。新たに卵を購入する場合は、飼育開始の日にちを伝えれば、フ化の時期を調整してくれます。菓子箱などの飼育箱にキッチンペーパーを敷き、卵を広げておきます。

ポイント
えさは食べ残しのないようにすると、えさの交換や掃除が楽にできます。 1齢や2齢のカイコには、桑の枝先の柔らかい葉を細かく切ってあげましょう。 卵から3齢までは、小皿に水を含ませたティッシュペーパーを置き、飼育箱は不織布などで覆い、保湿をしましょう。(眠の間はのぞく)

卵が写真右のように黒色から青っぽい灰色なったら2、3日でカイコが生まれてきます。

卵から2、3ミリのカイコが生まれてきます。からだは黒色で全身に毛が生えています。この時期のカイコを毛蚕(けご)と言います。また、黒くてアリのようにみえるので蟻蚕(ぎさん)とも言います。

カイコの上に桑の葉を1センチ角に切ってのせます。1齢のカイコはとても小さいので、手でさわらないようにします。1日1回、新しい葉を古い葉の上から重ねるように与えます。
人工飼料の場合は、厚さ2、3ミリで四等分に切って与えます。飼料が乾燥したら、新しいものを古いもののとなりに置けば、カイコは移動します。

2、3日すると動かなくなり(眠)、えさも食べずに脱皮をしますが、小さいので分かりづらいと思います。

2齢の眠 2齢になったら朝夕2回えさの交換と掃除をします。
ネットを2枚使うと便利です。古い葉の上にネットをかぶせ、その上 に1センチ角に切った桑の葉をのせて、30分位そのままにしておくと、カイコが新しい葉 に移動します。新しいキッチンペーパーを用意しておき、上のネットを持ってその上に移動させます。下に残ったカイコは、新しい葉をかぶせてカイコが移動してから葉を持ってネットの上に移します。

3齢になると頭のかたちがはっきりしてきます。

3齢の育て方は2齢と同じです。

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4齢(れい)〜熟蚕(じゅくさん)

4齢になると体長も長くなり、眼状紋(がんじょうもん)もはっきりしてきます。

えさやりと掃除は朝夕2回、飼育箱は2個を交代で使います。飼育箱はよく乾燥させてから使いましょう。

5齢3日目くらいになると食べるえさの量が急に増えます。朝夕の他に昼にえさの残り具合を確認しましょう。
桑の葉は細かくしないで、そのままあげます。えさの交換とそうじは食べ残しの葉の上に新しい葉を重ね、カイコが移動したら、新しい飼育箱に移してやります。

糸を吐く準備ができると、からだが少し小さくなり黄色く透き通ったようになります。えさも食べなくなります。5齢のなかでも特に熟蚕(じゅくさん)と呼びます。

頭を動かしながら糸を出しはじめたらマブシに移してあげましょう。

脱皮(だっぴ)
胸と腹の皮を脱いでから頭の皮を脱ぎます

生涯のえさの量の約9割を5齢で食べるといわれます。
えさの準備を忘れずに。

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繭(まゆ)づくり

カイコが5齢になったら、まゆ作りの準備をしましょう。カイコがまゆを作る場所をマブシ(蔟)といいます。えさを食べなくなり、飼育箱の壁に糸を吐くようになったカイコをマブシに移してあげましょう

ワンルームマンション式マブシ
厚紙で作ったわくの中にカイコが入ってまゆを作ります。
カイコの数のわくを作ります。

用意するもの
厚紙、新聞紙、ハサミ、ものさし

作り方
厚紙を幅4センチに切ります。長さはカイコの数で決めてください。
厚紙に切れ目用の印をつけます。横用は4センチ間隔、たて用は5センチ間隔で2センチの深さ

印をつけたところをハサミやカッターで切ります。
たて横用の厚紙の切れ目どうしを差込み組み立てます。
完成したら、マブシを壁などにたてかけ、下に新聞紙を敷きます。

スケルトン式マブシ
カイコ1頭ずつの個室式。まゆのよごれが少なく、透明なのでまゆ作りの観察に便利です。

用意するもの
セロハン紙、トイレットペーパーの巻き芯、セロテープ、ハサミ

作り方
セロハン紙を幅10センチ、長さはトイレットペーパーの芯の円周+1センチに切ります。
セロハン紙を巻き芯に巻きつけセロテープでとめます。セロハン紙をずらし図のように折り曲げ、セロテープでとめます。
巻き芯を取り、中にカイコを入れ、反対の端も同じように折り曲げセロテープでとめます。
ティッシュペーパーを敷きマブシを立てにおきます。

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サナギ〜羽化(うか)

繭(まゆ)を作ってからカイコは、繭(まゆ)の中で脱皮をしてサナギになります。
サナギになることを蛹化(ようか)といいます。

サナギになるようすを観察しよう

まゆの中を観察することできません。まゆ作りをはじめて3日たったら、繭(まゆ)を切ってカイコをとりだします。カイコを傷つけないよう下の図のようにカッターで繭(まゆ)を切ります。
とりだしたカイコは「繭づくり」の透明のマブシを作ってその中に入れて観察しよう。

上が脱皮する前のカイコです。
おなかの足がだんだん小さくなっていきます。

下がサナギです。
褐色(かっしょく)に変わっています。おなかの足はなくなっています。

オスとメスを区別してみよう
サナギになるとオスとメスを見分けることができます。
大きさで見分ける方法:
正確ではありませんが、ふっくらして大きいのがメス、ほっそりして小さいのがオスです。

正確に見分ける:
右の図のおしりのかたちをくらべてください。
もようがあるのがメス、黒い点だけなのがオスです。

羽化(うか)
サナギになってから10日くらいすると、サナギのカラをやぶってカイコガが羽化(うか)します。羽化(うか)したカイコガは、口から酵素(こうそ)を出して繭(まゆ)を溶かして外に出てきます。

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交尾(こうび)〜産卵(さんらん)

交尾(こうび)

サナギを繭から出して観察した時は、オスとメスを1頭ずつひとつの箱に入れておきます。
繭のままで保存した時は、繭から出てきたオスとメスを選びひとつの箱に入れます。

オスのほうが早く羽化(うか)します。すこしおくれて羽化(うか)したメスは、お尻にあるフェロモン腺(せん)からフェロモンというにおいを出して、オスを呼びます。
オスは触覚(しょっかく)でフェロモンを感じてメスを探します。オスがメスに近づき交尾(こうび)をはじめます。

お腹の大きいほうがメスです。交尾(こうび)が始まって半日くらいしたら、メスを引き離して産卵(さんらん)させたい場所に移してあげます。

産卵(さんらん)

産卵(さんらん)の準備
カイコガは移動しながら卵を産み付けます。
卵はペーパーに付いてしまうので、保存に便利なように、紙コップやペットボトルを半分に切ったものを用意しておきましょう。
新しいキッチンペーパーの上に、引き離したメスを移し、用意したペットボトルなどでまわりを囲います。

産卵(さんらん)

半日くらいで約400〜500粒の卵を産みます。

卵の保存

受精(じゅせい)した卵は、2日くらいで褐色に変化します。受精(じゅせい)しなかった卵は黄色のままで変化しません。
卵からまたカイコを育てたい場合は、卵の付いたペーパーをネットなどに入れ、風通しのよい場所で保管します。12月下旬頃に冷蔵庫に入れ、桑の葉が出てきたら、室内においておくと10日くらいでカイコがフ化します。
※品種によっては、そのままフ化するものもあります。

注意
良い絹糸を採るために違う品種のカイコを交配して1回の養蚕だけに飼育します、一代交雑種といいます。その飼育したカイコから二代目、三代目と育てると病気などにかかりやすくなります。元気に育つ率は、二代目で約75%、三代目で約50%といわれています。

カイコガはどうなるの
カイコガになると、えさは何も食べません。交尾(こうび)、産卵(さんらん)をすませると短い一生を終わります。いろいろなことを教えてくれたカイコに感謝をしながら、土にうめてあげよう。

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