財団法人 大日本蚕糸会
蚕品種カタログ
蚕業技術研究所が育成した蚕品種

1 普通の多収量の蚕品種

朝・日×東・海
読み方: あさひとうかい
育成: 昭和51年
飼育適期: 春蚕期の飼育に適する。
特徴: 日本種と中国種、欧州種の血が入っている四元交雑種で、繭は白色、繭糸の太さは3.0デニール内外である。虫質強健で飼育し易い。農家での繭の生産量は多く、絹の割合も多く、繭糸も長く糸のほぐれ易さなどは良好である。生糸の手触りは軽やかである。昭和59年頃に多く飼育された。
芙・蓉×つくば・ね
読み方: ふようつくばね
育成: 平成5年
飼育適期: 夏秋蚕期に適する。
特徴: 日本種、中国種、欧州種の血が入った四元交雑種で、繭は白色、繭糸の太さは2.8デニール内外である。虫質強健で稚蚕人工飼料育と桑育での飼育が容易である。繭糸が長く、糸のほぐれも良くエクスフォリエーション等級点に優るなど糸質が良好である。
ひたち×にしき
読み方: ひたちにしき
育成: 平成6年
飼育適期: 夏秋蚕期に適する。
特徴: 日本種と中国種の二元交雑種で、繭は白色、繭糸の太さは2.9デニール内外である。虫質強健。5齢期間の発育は早いので蚕の密度が厚くならないようにし飽食させることが肝要である。幼虫は広食性なので低コスト人工飼料での飼育が可能であり、幼虫の雌には斑紋があるが雄には無いので雌雄識別も容易である。繭からの糸のほぐれが良好である。

2 繭糸の細い特長を有する蚕品種

かい・りょう×あけ・ぼの
読み方: かいりょうあけぼの
育成: 平成9年
飼育適期: 春蚕期と夏秋蚕期に適する。
特徴: 日本種と中国種の四元交雑種で、繭は白色、繭糸の太さは2.2デニール内外である。蚕品種「あけぼの」が蚕糸業法にもとづく品種の指定から解除されたが、旧来の「あけぼの」を望む声が強くあったので、蚕業技術研究所が維持改良していた原種を用いて本系統を品種として登録したものであり、蚕の特性は「あけぼの」に類似している。虫質は極めて強健で飼育は容易であり、5齢期間は短めであって盛食期の食欲はやや少なめである。繭乾燥温度が高いと繭に色がつく。細繊度の高級生糸用に適する。
松岡姫
読み方: 松岡姫
育成: 平成12年 蚕業技術研究所と山形県
飼育適期: 春蚕期に適する。
特徴: 日本種と中国種の四元交雑種で、繭は白色、繭糸の太さは2.5デニール内外である。繭糸も1,500mと細くて長く絹生産量が多いのが特長である。松岡姫は山形県のブランド名であり、高級生糸の名称としても使用されている。

3 特徴ある蚕品種

改良小石丸
読み方: かいりょうこいしまる
育成: 平成15年
飼育適期: 春蚕期と晩秋蚕期に適する。
特徴: 在来品種の「小石丸」を改良したもの。繭が大きく繭層が厚くなっているので、機械での繰糸が可能である。「改良小石丸」は栃木県のブランド名であり、その繭から高級な生糸が製造されている。
プラチナボーイ
読み方: プラチナボーイ
育成: 平成17年
飼育適期: 春蚕期および夏秋蚕期に適する。
特徴: 雄のみを飼育するために作出された三元交雑の雄蚕品種である。繭は白色。繭糸は2.8デニール内外であり1,300m程度。性染色体が関わる平衡致死法の原理に基づき、雌はふ化できず、致死遺伝子を抑制する働きのある正常遺伝子を有する雄のみがふ化する。
緑繭1号
読み方: りょっけんいちごう
育成: 平成18年
飼育適期: 春蚕期および晩秋蚕期に適する。
特徴: 蚕品種「大造」の繭が有するフラボノイド色素を活用するために、「大造」を優良な育種素材と交雑し育成された品種である。水および温湯でのフラボノイドの抽出は容易である。繭は鮮やかなレモン色。繭糸は2.2デニールと細く1,000m程度である。細繊度の繭糸を得るためには晩秋蚕期の飼育が適している。
玉小石
読み方: たまこいし
育成: 平成18年
飼育適期: 春蚕期および晩秋蚕期
特徴: 玉繭糸の利用に提供するために、玉繭を多く作るように選抜育種した在来種「小石丸」系の蚕品種である。繭は白色であるが極く淡い笹色の繭も混在する。サンピー蚕箔に400頭程度の熟蚕を入れ繭を作らせた場合の玉繭蚕率は30%程度である。

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