蚕業技術研究所

雄のみがふ化する特別な蚕品種の開発(2)

特別な雄を普通の雌に交配すると産まれた卵から雌はふ化できません。そのため、特別な雄を維持するために、別途、特別な雌を作出しておく平衡致死系統が必要です。図のように、劣性致死遺伝子(l1、l2)を抑制する正常な遺伝子(+)が存在するZ性染色体の一部を、ガンマー線照射を行ってW染色体に連結させるのです。幸い、連結に成功した雌を多くの蚕の中から発見できました。
これによって、特別な雄と雌の蛾同士を交配したときに、卵の中で雌の胚子は正常遺伝子が働いて成育を続けることが可能になりました。しかし、これらの特別な雄と雌がつくる繭は貧弱でしたので、研究所が保有する立派な繭をつくる中国種の原種と何回も交配し、繭の形質を向上させました。
そこで、この特別な雄の蛾を、研究所保有の立派な繭をつくる日本種の原種の雌蛾と交配させ、卵からふ化してきた蚕がプラチナボーイです。農家では人工飼料や桑を食べて大きくなり立派な繭をつくりました。しかも、雄だけですので、成長がよく揃い飼育し易いと言われています。繭糸は長さが1,464m、細さが2.66デニールで、織物を作るときの経糸(たていと)に使用しても摩擦に耐えるので丈夫で良いとの評価ですし、白生地の感触も素晴らしいと評判です。

特別な雄と雌を維持する平衡致死系統 成長したプラチナボーイ
【特別な雄と雌を維持する
平衡致死系統】
【成長したプラチナボーイ】
プラチナボーイの繭と生糸
【プラチナボーイの繭と生糸】
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