蚕業技術研究所

蚕の広食性に関与する遺伝子

昔から蚕は桑の葉しか食べないと思われていますが、最近ではキャベツや柿など、いろいろな植物を食べる変わった蚕が育成されています。これを広食性蚕といって苦み物質に鈍感といわれています。
私たちは、広食性に関与する主要な遺伝子のほかに、それを修飾するいくつかの遺伝子の存在を提唱しています。今回、遺伝資源として保存されている蚕の中から、日本種と中国種、欧州種の16〜19品種について、ふ化幼虫が桑粉末を含まない人工飼料を食べて大きくなる割合(毛振い率)を調査しました。その結果、いずれもよく食べる蚕と食べない蚕がいることが分かりました。この遺伝分析から、摂食を抑制する遺伝子の存在が考えられました。
1960年に日本は桑粉末を加えた人工飼料で蚕を飼育することに世界で初めて成功しました。そして、人工飼料を食べる実用的な蚕を育成しているときに、日本種の蚕はよく食べるのですが、中国種の蚕は食べないことが多く、その原因は不明でした。今回の研究から、桑を食べて優れた繭をつくる実用的な中国種を育成してきた過程で、C108号など抑制遺伝子を持っている蚕がそれとは知らずに利用されてきたためではないかと考えられます。

柿を食べる広食性蚕

【柿を食べる広食性蚕】
桑粉末を含まない人工飼料を食べる蚕

【桑粉末を含まない人工飼料
を食べる蚕】
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