蚕糸科学研究所

クマシー染色による絹糸腺セリシン層の観察

家蚕の中部絹糸腺前区では染色性の違いから3種類のセリシンが積層されていると考えられます。このうち最も外層に位置するセリシン層は他のセリシン層とは異なる染色性を示し、キサントプロテイン反応に対して陰性であることが報告されています。そこで、タンパク質検出法として知られるクマシーブリリアントブルーR250(CBB)を用いた場合の染色特性について調べました。
その結果、絹糸腺細胞層とセリシン層の間にCBBに染まらない陰性部位が観察されました。このCBB陰性部位は切片作成中に発生した剥離などの影響により生じた隙間の可能性も疑われましたが、光学顕微鏡でも顆粒状の構造物が確認できたことから、この部分にはなんらかの物質が存在しているものと判断されました。CBBはタンパク質の芳香族アミノ酸のほかにアルギニンやリジンなどの塩基性アミノ酸に吸着して青色を発色するため、陰性部位にタンパク質成分が含まれていない可能性もあります。今回のCBB染色法において確認された陰性部位がキサントプロテイン反応の陰性部位に対応するのかは現在のところ不明です。

中部絹糸腺前区(CBB染色)

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