
蚕糸科学技術研究所は、蚕糸研究に携わる民間機関のひとつとして、基礎研究や先端技術開発に取り組む大学・国公立機関との連携も必要に応じて推進しながら、蚕糸分野の研究・技術開発を進めています。同時にこれまで培われた技術の伝承・普及にも取り組んでいます。当所は、2021年の蚕業技術研究所と蚕糸科学研究所との合併により、蚕種から絹織物に至るまでの研究成果や技術動向を一研究機関から情報発信できる全国でも稀な総合的な研究所となり、一連の生産技術を支える遺伝資源、蚕育種、養蚕、栽桑、製糸および絹素材に関する基盤研究に取り組んでいます。
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伝統的な養蚕技術を維持継承できる数少ない研究所として、養蚕農家への技術指導や新規養蚕就農者の研修なども積極的に行っ ています。 一方、近年では遺伝子組換えカイコの飼育に必要な環境が整備され、次世代型の養蚕への要望に応じた技術改良にも取り組んでいます。
また、家政系大学等との共同研究により、絹消費科学の視点から絹素材の特性を解明し、その研究成果の一部は研修等を通じて消費者に発信しています。具体的には、以下の事を行っています。
カイコの品種・系統の維持には大きな労力や経費を必要とする上に、新型コロナウイルスの感染拡大のような突発的なアクシデントにいつ見舞われるかといった不透明なリスクも抱えています。
また、継代中に形質変化や系統途絶も危惧されることから、長期にわたって安定的に保存する技術の開発が望まれており、当所が開発した液体窒素による生殖細胞の凍結保存法をは、「ナショナルバイオリソースプロジェクト」の中でも利用されています。
今後、多くの品種・系統の保存に利用される安定的な技術とするため、卵巣、精子の凍結保存技術を映像で紹介します。